名古屋大学 大学院生命農学研究科 食品機能化学研究室
研究室の紹介Laboratories
平成22年4月から始まった新体制での食品機能化学研究分野では、「食と健康」に関連した低分子化合物、特に脂質などの細胞成分をその起源として酸化反応などにより生成される様々な親電子性活性種のほか、植物起源の機能性食品成分を主な研究対象としている。これらの化合物の多くは、タンパク質(特にチオール基)に作用するレドックス感受性リガンドであり、タンパク質機能修飾を介して、シグナル伝達に影響を与える。こうした機能性リガンドの細胞生理学的・病理学的役割を理解する上で、それらの標的タンパク質の同定やシグナル伝達機構の解析は不可欠であり、プロテオミクスなどのケミカルバイオロジーにおける最先端技術が最も活躍しうる研究領域でもある。
こうした背景のもと、内因性及び外因性の様々なレドックス感受性リガンドについて、それらを感知するケミカルセンサーあるいはレセプター蛋白質、レドックス感知機構に連動して惹起されるシグナル伝達の分子制御機構の解明、さらにはリガンド修飾タンパク質の化学的・免疫化学的解析、さらには修飾タンパク質が関わる自己免疫疾患に関する研究を進めている。