熊本大学 文学部 コミュニケーション情報学科江川 良裕
経営コンサルタントとして、IT関連の新規事業やマーケティングを多数手がける。2004年、熊本大学文学部「コミュニケーション情報学科」の立ち上げに参加し赴任。経営学やメディア研究など通じて社会問題の解決を試みる。
―江川先生の研究室ではどんなことを専門になさっているのですか?
江川 私は元々経営コンサルタントの仕事をしていて、その延長で大学の教授になったので、経営学やマーケティング、経営戦略などの視点を生かした内容を教えています。基本的には過去の文献や資料に頼らずに、フィールドに出て個々の視点でテーマを見出し、その研究を進めるというスタイルが軸になっています。
―先生ご自身が興味を抱いていることはありますか?
江川 これまで経営コンサルタントとして、ITを活用したの新規事業開発や流通マーケティングなども行っていたのですが、近年はそうした視点を生かしていかにソーシャルイノベーション(社会的課題)につなげるかを研究しています。持続可能な解決方法をマネージメントの視点を模索しているんです。
―たとえばどういった問題を想定しているのでしょうか?
江川 大きな問題で言うと、世界的な食料難。身近なところで、貧困による教育格差、震災後の教育の場の喪失などがあります。こうした問題は通常一般的なビジネスの形式に馴染まないものがほとんどですが、そうした問題は根本的に一定の資金がないと解消できません。そのバランスを上手くとってサービスとして成立させられることができるのか、という観点で活動をしています。“研究”というより“一緒に学ぼう”というスタンスの方が合っているかもしれません。