近年の入試動向について
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近年の入試動向について
大学入試改革によりセンター試験は2019年度(2020年1月)をもって廃止されます。
文部科学省より公表された情報では、センター試験に代わり「大学入学共通テスト」が新しく導入される予定です。
新テストの詳細についてはまだ検討中ということですが、これから入試に臨む高校生は動向を見守っていく必要があります。
国公立大学・私立大学の既存の受験動向や、現在公表されている「大学入学共通テスト」についてまとめましたので、入試に向けてどのような対策が必要なのか、しっかり確認していきましょう!
国公立大学の一般入試の動向
今までのセンター試験の方式では、国公立大学の場合、1月中旬に実施されるセンター試験と、2月~3月の間に行われる大学が独自に行う二次試験の合計点で合否が判定されます。
さらに、二次試験には「前期日程」と「後期日程」、そして「中期日程(一部の公立大のみ)」とに分かれており、最大で三回受験することができます。
ただし、第一志望校に関しては、前期日程で必ず受験するのが一般的です。
後期日程では、小論文や面接、総合問題といった普通の学科試験とは異なる試験を課す場合が多いので、後期日程での受験を考えている人は、それらの対策も行うようにしましょう。
ちなみに、近年では前期日程の募集人員と、後期日程の募集人員に開きがあり、前期のほうが受験者の割合が圧倒的に多いです。
そのため、後期日程を実施する大学(主に難関大学)は、廃止・縮小傾向にあります。
センター試験と二次試験の配点の比率は、大学や学部によって大きく異なるため、自分が志望する大学・学部の入試傾向を早めに調べ、対策しておくことが重要になります。
国公立大学を受験する場合、センター試験での科目は5教科以上を課している大学が全体の7割を占めています。
一方の二次試験ですが、こちらは2~3科目で実施されるのが一般的です。
センター試験の詳しい出題傾向などについては、インターネットで検索すると情報がたくさん出てくるので、センター試験対策参考書と併せて活用するといいでしょう。
私立大学の一般入試の動向
私立大学の一般入試は、3科目で受験するのが基本となっており、それぞれの大学が独自に作成した問題が出題されます。
受験する学部によって、その3科目は異なり、文学部であれば、国語・英語・地歴、公民、数学の中から一科目を選択する方式、理系学部であれば、数学・英語・理科という科目が一般的です。
配点については、大学・学部ごとに異なっており、全科目の配点が一律の大学もあれば、各科目毎に配点を変えている大学もあります。
出題形式はマークシートや記述式で行われ、こちらも大学毎にその出題比率にばらつきがあります。
また、私立大学の一般入試の場合、3科目ではなく、2科目や1科目で受験できる大学もあります。一見、受験科目が少ないと試験がラクだと思われがちですが、そのぶん志願者が増えるため、高倍率になりやすいというデメリットがあります。
どちらにせよ、山をかけた勉強というのはおすすめできないので、あくまで、そういう入試形態を採用している大学もあるのだな、といった認識にとどめておくのが無難でしょう。
センター試験廃止について
センター試験は2019年度(2020年1月)を最後に廃止され、2020年度(2021年1月)より新しく「大学入学共通テスト」が予定されています。
背景として大学教育を受けるために、必要な能力を有しているか把握することを目的としています。
これからの社会において、ただ学校の知識を深めるだけでなく他の学習や生活の場面でも活用できるような知識を習得することが重要とされ、知識や技能を活用して自分で考えて課題を解決する問題解決能力が必要になります。
それら知識・技能や思考力・判断力・表現力を総合的に評価する目的として改革が行われました。
大きく変わる点については、国語と数学の一部で記述式が導入され、英語は今までの「読む」「聞く」に「話す」「書く」を加えた4技能評価が導入されることです。
2025年度からは地理公民や理科も新しい方式の導入が検討される予定であり、高校・大学教育全体が大きく変わろうとしています。
時代に取り残されないためにも正しい情報を収集して、入試の動向に注意しながらいち早く新しい大学入試の対策を行いましょう。