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広島大学 文学研究科 文学部 論理学分野 衛藤吉則研究室

研究室の紹介Laboratories

 国内外で学問的な認知とともに急増する「発達障害児(LD、ADHD、自閉症スペクトラムなどの児童)」に対し、今日、効果的な教育理論と方法を示すことが喫緊の課題となっている。このような状況に対し、本研究は、健常児の教育に加え障害児教育でも成果を上げるシュタイナー教育とモンテッソーリ教育に注目し、無意識や高次の感覚・精神をも視野に入れた両教育の分析を通して、発達障害児教育に有効な〈健常児教育との連続的・統合的な理論・実践モデル〉を描出することを目的とする。具体的には、両教育が基盤に置く「ホリスティックな人間観・発達観等の教育原理」と実際の「健常児・障害児教育の方法・内容」について、先行研究や両者の関連文献、そして国内外の関連治療施設を調査することで解明していく。本研究の結果、一般の学校教育に加え、児童福祉法改正(2012)以降進められる「児童発達支援(6歳未満)」「放課後等デイサービス(6-18歳)」にも理論・実践上の指針が示される。

研究内容

シュタイナー思想、教育倫理学、近代日本思想

政治・経済・精神文化の領域で、現代社会にひろく影響を与えているR.シュタイナーの思想について研究しています。とりわけ、応用倫理学的な観点から、教育・宗教・政治・経済・平和の問題を考えています。現在は、シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の方法を発達障碍児教育に応用する臨床研究を進めている。

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学生の声

  • 近年の衛藤ゼミ学部生の論文題目

    道徳の起源としての共感」
    「ジオパークにおける場所論」
    「テクノ・ユートピアは実現可能か」
    「「愛」に関する考察」
    「犬・猫の殺処分問題について」
    「社会契約説にみる利己心」
    「山本空外の思想」
    「スッタニパータにみる初期仏教」
    「消費者社会の環境倫理」
    「山本空外の「国体思想」解釈」
    「性別の存在 性別における役割の差」
    「ホスピタリズムと自己肯定感の関係とその影響について」
    「他者存在のためのファッション」
    「ボルノーの「存在信頼」について」
    「不安との向き合い方について」
    「杜甫の生涯と思想」
    「自分自身であるということ」
    「分業の効率性と労働者への弊害―アダム・スミスの国富論を軸として」
    「近親相姦はなぜタブーとされるのか」
    「親鸞における死生観」
    「日本人の倫理観―「武士道」精神の結晶としての『葉隠』」

研究の様子

  • 衛藤研究室にて 2018.8.1

  • 倫理学研究室での演習風景 2018.7.31

衛藤吉則教授について

  • 略歴

    福岡県出身, 八幡高等学校卒業, 広島大学文学部哲学科卒業(1985), 高知私立土佐女子中学・高等学教諭(1985), 福岡県立大里高等学校非常勤講師(1987), 福岡県立門司高等学校教諭(1988), 広島大学大学院教育学研究科博士課程前期教育学専攻修了(1993), 同大学大学院教育学研究科博士課程後期教育学専攻単位修得退学(1994), 公立新見女子短期大学幼児教育学科講師(1994), 同助教授(1998),文部省在外研究員としてスイス・ドイツ留学(1999),下関市立大学経済学部助教授(2001), 広島大学大学院文学研究科助教授(2006), 同准教授(2007), 南オーストラリア大学客員研究員兼務(2007-2009),広島大学大学院教育学研究科論文博士(教育学2016), 同教授(2017)

  • 主な研究業績

    シュタイナー教育思想の再構築-その学問としての妥当性を問う』ナカニシヤ出版、2018年
    『西晋一郎の思想-広島から「平和・和解」を問う』広島大学出版会、2018年
    『松本清張にみるノンフィクションとフィクションのはざま―「哲学館事件」(『小説東京帝国大学』)を読み解く』御茶の水書房、2015年
    『岩波応用倫理学講義6 教育』岩波書店、2005年[共著]
    『仙厓』西日本新聞社、1998年[編著]
    A Theosophical Paradigm in Montessori Educational Thought: A Point of Contact with Steiner Educational Thought、Praxis、12, pp.107-122、2011.

研究成果等

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