九州大学 准教授 三好 勉信(やすのぶ) 様
香川県出身。名古屋大学 理学部を卒業後、九州大学 大学院 理学部物理学科に進学し、研究者の道に進む。専門は大気科学で、成層圏から熱圏における大気の循環と大気波動に関する研究や、大気の循環が日々変動するメカニズムに関する研究などを行なっている。
先生の研究テーマについて教えてください。
大気科学を研究しているのですが、そもそも地球の大気は地上から高度約1000Kmのまで存在しています。一般に高度100㎞以上を宇宙と呼び、ニュースでよく話題になる宇宙ステーションは地上から400Kmの地点にあります。したがって、地球に近い場所では、宇宙にも大気が存在しているんですよ。
わたしたちの身近なスマホも、実は大気と大きな関係があります。スマホはGPS機能が搭載されていますが、人工衛星からの電波を受信することで、わたしたちはグーグルマップや宅急便などの荷物の追跡、インスタグラム、ゲームなどの位置情報サービスを利用することができています。グーグルマップを使う時、自分がいる位置を示す動く青い丸も常に自分のいる場所が特定できているからなんです。
時々グーグルマップの誤差を生じることがありますが、その理由の1つに大気の問題が挙げられます。人工衛星と地上のわたしたちの間には大気が存在するために、衛星からの電波に遅延が生じ、GPSの位置情報に誤差が生じるからです。この電波の遅延は、高度50㎞以上に存在する電離層が原因の一つなんです。
私は、これら高度10Kmから1000Kmにある大気の循環を研究していて、スーパーコンピュータを用いて数値シミュレーションをし、解析を行なっています。
大気の循環に興味を持ったきっかけは何ですか?
高校生の頃、天気に興味を持ったことが始まりでした。雨が降ったり、曇りの日があったり、日々天気が変わることで世の中の人々の生活に影響を与えていることを不思議に思い、なぜ天気は毎日変わるのだろうと思ったんです。1週間先、1か月先の天気はあくまで「予測」であって、きちんとしたことはわからず、あったかいのか寒いのかも正確には断定できない。面白そうだな! と思いました。きっかけは気象だったのですが、そこから大気の流れに興味を持ち始めました。
世界中の多くの研究者が大気の循環について調べていますが、こんなに多くの人が調べても、一か月先の大気の循環がどうなるかについては誰もわからないんです。何が大気の変動の要因になっているのか、答えが見つからないからどんどん調べていく。そこに面白さを感じています。
アプライドの解析マシンを導入しようと思ったきっかけを教えてください。
スーパーコンピュータで計算したデータを置いておくための場所として、3年前にアプライドのマシンを購入しました。大手メーカーと比較をしたのですが、アプライドの製品はコストとサービスが圧倒的に良かったんです。それまでは外付けのハードディスクを使ってデータを保管していたのですが、20~30テラのデータを研究室に保管するのは大変で。今も棚の中を結構占領しています(笑)。1台の本体だけでハードディスク約10個分のデータを保管できるようになったのは、本当にありがたいです。
アプライドの商品の良さについて教えてください。
価格帯の他に、サービスも気に入っています。マシンの調子が悪くなった時、メーカーによっては自分でマシンを修理センターに送らないといけないのですが、手間もかかるし面倒で…。アプライドは博多店に工場が併設されているそうで、マシンの調子が悪くなれば営業の永渕さんがマシンを取りに来てくれて、工場で修理し、修理したマシンを九大に持ってきてくれるのでなにかと助かっています。
全般的に対応がスピーディーできめ細やかなので、頼みやすいんです。何かと融通も利かせてくれるので、4年前だったら自分でカスタマイズしていたスペックも、アプライドはカスタマイズして使える状態にして持ってきてくれるので、その分、仕事に時間を割くことができるようになりました。アプライドの製品は使いやすくて気に入っているので、毎年1台ずつ購入しています。